三本じめと一本じめ その2
東京・築地の中央卸売市場は一月五日の初セリのとき、水産は一本じめ、青果は三本じめをしています。
横浜、静岡、浜松、さらに大宮、いわき、宇都宮も三本じめだが、千葉は一本じめが恒例です。
商売人や職人は、一本じめを「一本一度きり」といって嫌う。
三本じめが多いのはそのためです。
しかし最近の若い世代には、パーティーや会合で、一本じめを好む傾向にあります。
一本じめと三本じめの境界は、世代にも存在するのかもしれない。
もともと、手じめはとび職のしきたりだった。
とび職が、浅草の竜泉寺の酉の市でくまでを売る。
客とのあいだで売買がまとまると、手じめをした。
この風習が戦後、一般にも広まったといいます。
歌舞伎の襲名披露でも、口上をのべたあとに手じめをする。
この場合、小屋(劇場)のために一本、お客さんのために一本、そして襲名した当事者のために一本の、計三本じめをするといいます。